藁半紙の原稿
グイッ


「きゃっ」



突然、霎介さんは私の手を引いて足早に歩き出す。


「そっ霎介さん!?」

「………」



強引に手を引かれる私は半ば引きずられるように、半ば小走りでついて行く。














伝わってしまったに違いない。

胸に秘めていたこの想いを。


私はどうなるのだろう、

想いには答えられないと諭されるのだろうか。


はたまた解雇されてしまうのだろうか。







霎介さんにこの気持ちを否定されるのも、霎介さんの元で働けなくなるのも恐ろしくて、言葉を発せなくなった私はただ霎介さんの背を追った。
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