藁半紙の原稿
玄関の戸を閉めた途端、私は玄関に履物も脱がないまま霎介さんに廊下の上で押し倒されていた。
小走りで来た為に、息が上がり、身体が熱い。
背中に感じる廊下はひんやりとして固かった。
目の前を覆う霎介さんの顔は、暗くて見えない。
普段あまり運動しないせいだろう。
彼も少し息が上がっていた。
そのまま何も言わず、唇を重ねる。
私は抑えられなくなってそのまま彼の首に縋り付く。
深く、深く、
貪るように口付けを交わした。
着物の裾から出た私の素足を霎介さんの手が撫で上げる。
「ぁあんっ…!」
私がビクリと身体をよがらせたのをきっかけとしたかのように、霎介さんは獣のように私を貪った。
意識が遠退く。
熱が混ざり合い一つになる。
激しく、激しく私を求める霎介さんが、
どうしようもないくらい愛しい。
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