学園恋愛事情

素っ気なく返事するも、横目でしっかり歌音をチェックする講介。

そんな事とは知らずに、ニコニコしている歌音。



そんな歌音を見れば見るほど複雑な気分になっていく…。

大好きな歌音の『可愛い笑顔』と『可愛い声』が、いつもはだるい朝でもテンションを上げる潤滑油になるのに…。

今日に限っては、この言葉に隠されてるであろう『先輩との放課後』の影がチラつく。

先輩を思って発している可愛さなのではないかと、そんな事ばかり考えてしまうのだ。


『昨日の歌音に囚われ過ぎ?!』
そう振り切ろうとしても…悶々として。

そんな時に、歌音は講介に笑顔を向けて言った。



「いっつも1人で楽譜読んでたりしたけど、もう退屈しなくて済むなぁ。」



言葉を失くす講介。


『先輩と過ごすから。』
そう言われたのと同じ意味だった。


もちろん、歌音には深い意味なんてない。
ただ、浮かれ気分での軽はずみな言葉で、1人よりはイイってくらいだった。

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