学園恋愛事情

「あ"!!」



歌音の急な大声にビクッとした講介に、上目遣いで睨みながら



「だからって、ゆっくりしないでよ?!」



「…何でだよ!!」



歌音の可愛い表情に、講介は照れ隠しに、大きな手のひらで歌音の顔を鷲掴みにした。

上目遣いは身長差からしたもので、いつものことなのに、より可愛く見えたのだ。



「もう!!」



怒りながら、手を振り払うと

『いつもの講だ!!』
そう思って、ふふっと笑が漏れた。



「何だよ…気持ち悪い。」



講介のその言葉にいらっとしつつも、気を取り直して



「講を待ってるんだからね?!だから、早くね。」



「わかってる。」




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