ヒーロー・ズ・ストーリー




「お前…そんなところに寝転び何をしている?」



今の俺にとっての最高のプレゼントが急に降ってきた。


あぁ……。

人の声だ……。
やっと聞けた。


「お前…泣いてるな。一体どうしたんだ?」


その声の主は俺の顔をのぞきこんでそう言った。


目に涙がつまって視界がぼやけているのであまりその声の持ち主の容姿が分からない。


もう一度目を凝らしてみたらどうやら少し老けた中年の男のようだ。


髪はぼうぼうに伸びかなり痛んだ状態だ。

足は素足で歩いてるせいかところどころすりきれて、赤い血が流れ出ていた。

そして明らかにみずぼらしい身なり。

服を着ているというより布を巻いているという感じで、ボロボロだった。




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