天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ
背中を丸めて、自信なさげに足元を見ながら。

この不安そうな歩き方は昔からである。

前を見て歩かない。

だから。

「いたっ」

電柱に頭をぶつけるなんてのも日常茶飯事。

ドジっ子、うろたえキャラがデフォ、いぢられ上手のいじめられ上手。

毒舌教師と担任副担任を組ませたのは、誰かの陰謀に違いない。

「いたたた…」

本日は結構頭を強打したようだ。

両手で押さえて、顔を顰めていると。

「マリー先生おはよーっ」

二人乗りの自転車が彼女の横を通過する。

不幸福姉妹だ。

いつも自転車通学なのかは分からないが、本日は姉が運転する自転車の後ろに、妹が立ち乗りする形。

幸福体質の姉が運転しているので、転倒したり事故したりは全て回避できている模様。

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