はじめまして、素敵な殿方。
教室に甘ったるい声が響く。

「葵くん。さっきからぼーっとしてどうしたのぉ??」

「そうですよ!葵先輩さっきから変ですってばぁ。」

「あたしにももっとかまってよ!!」

周りにまとわりつく女子の声にも聞く耳を持たず葵は物思いに耽る。

秋馬葵は言わずも知れた学校のアイドルだった。

顔もよし、家柄もよしときた。周りがほうっておくはずもない。

「ねぇっ・・・どうしたの?」

「いや…恋ってなんなんだろうと…考えていたんだ。」

周りを取り囲んでいた女子は一瞬顔を見合わせたかと思うと、一斉にドッと笑い始めた。

「「あっはっははははははは!!!!!!」」

下品な笑い声を特に気にする様子もなく、葵は考えることをやめない。

「はっ・・・はははっ・・・!!・・・恋って、葵くんおもしろぉ~い!!」

「じゃあ恋ってどんな感じなのかな。」

「えぇ?うぅ~ん。恋ってやっぱり、ドキドキしたりするんじゃない?ほら、一目ぼれとかだと、こう…ビビっときたりね。」

誰かがポツリとつぶやいたそれが葵の運命を大きく変える。

葵はバッと勢いよく立ち上がり、叫んだ。

「そうか!!!これは一目ぼれなんだ!!!僕はあの子に一目ぼれしていたんだ!!!!」

教室を飛び出して、どこかへ走り去っていった。

取り残された女子たちは

「なーんか、葵くんって顔は良いのにかわってるよね。」

「だよねー。まぁ、そんなとこもカワイイんだけどww」

「ねぇ、それよりも、これは葵くんに好きな人ができたってとって良いんだよね??」

その場は一瞬にして凍りついた。
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