夏休みのTシャツ
しばらく歩いたら急に人気がなくなった。


強く握っていた手を緩めると、こらえられなくなった涙が頬を伝う。

立ってもいられなくなって壁に寄りかかってしまった。


そのままズルズルと落ちて床に座ると、今まで我慢してた分の涙が溢れて止まらない。



誰も見てないのにあたしは声を殺して泣いた。


本当に
くやしくて

本当に
情けない。


恭ちゃんに
申し訳なくて

謝っても謝っても
足りない。



どうしたらいいのかもわからなくて、ただ泣くしかなかった。

泣いても起きた事実は変わらないのに。




しばらく一人で泣いてると後ろから足音が聞こえた。

慌てて顔を拭う。




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