恋色カフェ
「いただきます」
悪戦苦闘しながら、全てが出来上がったのはそれから1時間後。
味見してみたけど、電話で確認した甲斐あって、母の味に限りなく近く出来た。うん、これならきっと大丈夫。
テーブルの上には、二人で食べるには少し、揚げ過ぎだと思われる量の唐揚げ。
何となく“張り切って作りました感”が否めず、恥ずかしさで顔を覆いたくなった。
店長は、美味そうだな、と言いながら早速箸で唐揚げを一つ、つまんでいる。
「ん! 美味いよ、これ」
そう言うと彼は、二つ三つ、と続けて口に運ぶ。
「良かった……」
こんなやりとり、まるで新婚家庭みたいで──。
照れた顔なんか、見せるもんか。俯き気味に、私も唐揚げへと箸を伸ばした。