恋色カフェ
万由さんはフロアスタッフ共用のデスクに座ると、引き出しから何か書類を取り出している。
私はさっきのことが気になりながらも、それを口にすることは出来ずにいた。
「……さっき」
「……え?」
「ごめんなさいね。突然大きな声出しちゃったから、びっくりしたでしょ」
「あ……ううん」
口火を切ったのは、彼女の方だった。
「……でも。森谷店長、女癖悪いから気を付けて。前からああだったのなら、高宮さんもわかってると思うけど」
前はあんなじゃなかったよ、と言おうとしたけど、それより先に万由さんが口を開いた。
「従業員には、さすがに手をつけてはいないみたいだけどね。お客さんには今まで、かなり手を出してるから……あの人」