恋色カフェ
「高宮さん」
「……、」
「添い寝してよ」
意外な言葉に驚いて振り返れば、そこには──もっと意外な、顔。
……そういうことを言った後あなたは、意地悪に微笑む筈、でしょう?
「……なんてね」
なんでそんな、淋しそうな顔をしているの。
「俺やっぱり、もう少し車で寝てくるよ。遅くても1時間後には戻るけど、何かあったら携帯鳴らして」
事務所を出て行きかけた店長を慌てて呼び止め、倉庫からどこかのメーカーに貰ったノベルティのブランケットを取ってきて店長に渡す。
サンキュー、と言った時にはもう、店長はさっきの顔をしていなかった。
事務所の時計を見れば、自分の仕事を開始するまであと15分程の猶予があった。
──今なら、間に合う。
私は財布を手にして、事務所を飛び出した。