恋色カフェ
この間まで、あんなに万由さんと仲良く仕事していたのに、随分と冷たいんじゃないか、って。そう思ったら頭に血がのぼった。
もしかしたら、そこには幾ばくかの嫉妬心も含まれていたかもしれない。
──自分のぬるさに、ほとほと嫌気が差した。
言い返す言葉も無く、かといって謝ることも出来ず、ただ唇を噛みしめる。俯いた頭に、柔らかく、掌が乗せられた。
「頼むよ」
置かれた手が優しい。危なく、泣きそうになった。
「……わかりました」
振り絞った声が小さくて、店長に聞こえたかはわからない。
私はもう一度鏡の前に立ち、頬を叩いた。
「よしっ」
とにかく今は、目の前のことを頑張ろう。みんなで、結果を出そう。だってみんな、これまで一生懸命頑張ったんだもの。
万由さんには後で連絡してみよう。そう心に決め、私はフロアに足を踏み出した。