恋色カフェ
「万由さん、今日のリニューアルオープンの為に、あんなにも頑張ってたのに……」
私は、拒絶している、白いシャツの背中に向かって言葉を投げつける。
「……高宮さんは、お人好しなの?」
「……え?」
「土屋が居なくなった方が、高宮さんにとって都合がいいんじゃないの?」
振り返った店長は、困惑した顏をこちらに向けた。
──やっぱり店長は、あの噂の出処を知っていた。
知っていて、知らないふりをしていたんだ。
「都合がいい、なんて思ってません」
私がきっぱりと言い放ったことに、店長は驚いているようだった。彼は、私がそれに同意すると思っていたのだろう。
確かに、万由さんには嫌な思いもさせられた。さっき怜ちゃんに万由さんのことを言われて、そんなことない、と言えなかった自分がいるのも否定できない事実だ。