祐雫の初恋


 「祐雫さん」



 慶志朗が祐雫に手を差し伸べる。



 祐雫は、現在(いま)を愛しむように慶志朗へと手を伸ばす。



(慶志朗さまが外国へ発たれて、この手が離れてしまっても、


 心の手は、いつまでも繋がってございます)




 慶志朗の体温が祐雫に伝わり、祐雫は、しあわせに包まれていた。






                         <祐雫の初恋・完>



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