定義はいらない

栄転

4月になり、病棟のメンバーは入れ替わった。

先輩たちや同期の数人が結婚で辞めた。

まどかは留学すると言って辞めた。

夏からワーキングホリデーに参加すると高らかに宣言していた。

結局、佐々山先生との進展はなかったみたい。

「ないよ。」

その一言で片づけられた。

そんな佐々山先生も違う病院に行き

結局私に残ったものは

数人の同期と新人数人と不眠症だった。

太朗ちゃんとは変わらず仕事場の

ある意味で普通の関係に戻っていた。


私の不眠症は悪くもならず良くもならず

毎日、飲んでいい量の上限まで飲んだが

それを超すことはなくなった。


昔のセックスフレンドと一度だけ寝た。

それだけだった。
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