定義はいらない
終わり
ナオと連絡を取らなくなって2ヶ月の日々が経った。


その間に何が起こったか?

私自身には何も起こっていない。

薬も飲んでいなければ、髪の毛も切ってない。

よく寝てよく食べている。



一つニュースが飛び込んだ。

まどかが実は日本に残っていて佐々山先生とでき婚したらしい。

出産日から計算すると、
どうやらあの2月の飲み会の後にできた子どもらしい。

別に赤ちゃんに罪はないけれど

私は佐々山先生の奥さんになるなんて真っ平ごめんだと思ったし

まどかが私にそれを伝えなかったこともまどからしいと思った。

2人はお似合いのカップルだ。

あとはまどかの幸せを祈るのみ。



そのニュースをナオに伝えようかと思って止めた。

『友達』の枠は外れていないだろうけど

今はまだ連絡する時期じゃない。


別に意地を張っているわけじゃない。

ただ、胸を張れるものがないのに連絡したくなかった。

それだけ。別に私のニュースじゃないし。


『愛している』という言葉に嘘も後悔もなかった。

初めてその言葉を使った相手が松木ナオだったことを

今でも私は大事に思っている。


ただ、こうも思う。

私はナオ以上に

私自身を愛している。

私は誰も傷つけなかったから。

そんな私を私自身が愛して何が悪いのだ。



その考え方も自信もナオが与えてくれたものだった。

ナオの与えてくれた、最高のプレゼント。

ナオとの出会いが私を変えた。

ナオは自分を愛するということを私に教えてくれた。

だから、私はナオを愛している。


ナオの「俺は杏子を捨てない」の言葉は

今もそしてこれからも私を照らし続けるだろう。



私とナオのことを書きたくて

私はこの物語を書いた。



新しい恋愛?


近い未来にはその問題にも取りかかろうと思ってる。

でも今は自分に夢中。

だから


定義はいらない。
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