定義はいらない
季節が春、夏、そして秋へと変わるように

どうやら親友・遥の時間は順調に時を刻んだらしい。


『結婚』


まだ半年前に出席したばかりの百合の結婚式が

急にフラッシュバックされた。



今まで何もかも一緒だった遥が結婚する。

そう考えただけで

私は身震いした。


仕事も旅行も恋愛も一緒に歩んでいたはずの遥が一歩先を行った。

私は一人取り残される。




無意識のうちに携帯を手にした。


アドレス帳には先日手に入れた太朗先生のメールアドレス。

私は迷うことなくメールを打った。


「何してますか?」


犯罪者になった瞬間だった。
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