シャクジの森で 〜月夜の誓い〜【完】
コンコンッ・・・・
「失礼しますエミリー様」
メイはキッチンで作ってもらった温かい食事を台車に載せて入ってきた。
さっきまでアランが使用していたテーブルの上を手際よく片付け
食事の準備をしている。
「エミリー様、こちらへ。お食事をお召し上がりください」
ベッドに座っているエミリーに椅子に座るように促した。
見ると、温かそうに湯気を出しているスープと香ばしいかおりの焼きたてのパン。
それにサラダがテーブルに用意されていた。
エミリーは突然の美味しそうな食事の香りに、自分がひどくお腹が空いていることにやっと気が付いた。
温かなスープを口に運ぶと、今まで冷え切っていた身体にじんわりと温かさが広がる。
暫く無言まま夢中でスープを口に運んだ。
空腹だったお腹が満たされて落ちつくと、さっきから湧いてる疑問の答えを得ようと、傍で控えているメイにオズオズと尋ねた。
「ぁ・・あの・・・」
「はい。何でしょうか」
「あの、さっきのあの方はどんな方ですか?」
「はい。あの方は、アラン・ランカスター・ギディオン様。
このギディオン王国の王子様でいらっしゃいます」
―――王子様?えっと、王子様って物語によく出てくる?
「ギディオン王国?」
そう呟きながら頬に手を当てて、抓ってみた。
頬は確かに痛みを感じ、これは夢ではないと言っていた。
チャリーンと金属音を響かせて床に落ちるスプーン。
―――うそでしょう?夢じゃないなんて・・・。
そんな国の名前、聞いたこともないわ。
わたし、どこに来てしまったの?
全く聞いたこともない国。
堪らなく不安を覚え、エミリーはアメジストの瞳をふるふると震わせていた。
「失礼しますエミリー様」
メイはキッチンで作ってもらった温かい食事を台車に載せて入ってきた。
さっきまでアランが使用していたテーブルの上を手際よく片付け
食事の準備をしている。
「エミリー様、こちらへ。お食事をお召し上がりください」
ベッドに座っているエミリーに椅子に座るように促した。
見ると、温かそうに湯気を出しているスープと香ばしいかおりの焼きたてのパン。
それにサラダがテーブルに用意されていた。
エミリーは突然の美味しそうな食事の香りに、自分がひどくお腹が空いていることにやっと気が付いた。
温かなスープを口に運ぶと、今まで冷え切っていた身体にじんわりと温かさが広がる。
暫く無言まま夢中でスープを口に運んだ。
空腹だったお腹が満たされて落ちつくと、さっきから湧いてる疑問の答えを得ようと、傍で控えているメイにオズオズと尋ねた。
「ぁ・・あの・・・」
「はい。何でしょうか」
「あの、さっきのあの方はどんな方ですか?」
「はい。あの方は、アラン・ランカスター・ギディオン様。
このギディオン王国の王子様でいらっしゃいます」
―――王子様?えっと、王子様って物語によく出てくる?
「ギディオン王国?」
そう呟きながら頬に手を当てて、抓ってみた。
頬は確かに痛みを感じ、これは夢ではないと言っていた。
チャリーンと金属音を響かせて床に落ちるスプーン。
―――うそでしょう?夢じゃないなんて・・・。
そんな国の名前、聞いたこともないわ。
わたし、どこに来てしまったの?
全く聞いたこともない国。
堪らなく不安を覚え、エミリーはアメジストの瞳をふるふると震わせていた。