俺様王子にご注意を

気持ち悪い｡触れないで｡
近寄らないでよ。
でも怖くて.....中々声がでない｡

｢ゃ...やだ｡｣
どんどん顔が近づいて来る。

｢和也っっ!｣

─ﾄﾞﾝﾄﾞﾝｯ

｢ふぇ.....?」
ドアが何回もすごい力で叩かれている。

｢っ...いいとこに...あんたたちちょっとドアの方見て来て｡この女は絶対に離すんじゃないわよっ!」

｢ひゃっ.....｡｣

｢静かにしてろ｡｣
汚い手でまた口を塞がれる。
汚いよ｡汚い､汚い､汚い。
触んないで.....。

『おいっっ!開けろよっ!』

和也の声が聞こえる.....?
そんなわけ...ないよね。
ここにいるって分かるわけないもん｡

『開けろって言ってんだろ!』
和也.....?誠くんも.....?
違う...絶対違うよ。

｢絶対に開けるんじゃないわよっ!｣

｢はい｡｣

ドアの方はすごくうるさくて全く
静かにならない。
それどころかどんどん叩く音が
大きくなってきている。
助けに...きてくれた人がいるの?

｢しつこいわね...仕方がないから
あけなさい.....｡誰よ｡こんなしつこい奴｡｣

｢いいんですかっ!?先輩｡｣

｢...開けなさい｡｣

｢.....はい｡｣

─ｶﾞﾁｬｯｯ

状況が...よくわからない。
なんで──.....?
和也がそんなに汗かいて
私を...見ているの?