俺様王子にご注意を

「玲奈っっ!」

「和...也?」
急に涙があふれてくる。
涙が止まらない。泣きやまなきゃ。
また和也に心配かけちゃうよ。
ほら、すぐそんな悲しそうな心配そうなせつなそうな顔するんだから。
私が和也のその顔でどれだけ
苦しんできたか知らないくせに。

「玲奈.....。」

和也はゆっくり私に近づいてくる。
今すぐ...抱きしめてほしいよ。

「ふぇ...和『そこまで。』

和也の前に私をここまで連れてきた
女の子が立った。

「何?邪魔なんだけど。」

和也はその子をすごい目つきで睨む。

「玲奈ちゃんの周り見たら分かるでしょ?こっわーい男がうじゃうじゃしてるね。あなたたち村上くんと大宮くんで2人でいっても負けちゃうよ?玲奈ちゃんがもーっと怖い思いしちゃうよ?」

「だったら...何?」

「玲奈ちゃんを解放してあげるから条件が2つあるの。まず1つは何事もなかったようにすること。2つ目はね.....。」

その子はゆっくり私の事をみて
にやりと笑った。
何.....?
条件とか.....ずるい。

「私に、玲奈ちゃんの目の前でキスして。」

「は.....?!」

何.....?

「もう一度聞くけど今の状況見たら分かるよね?玲奈ちゃんの周りの男なんて簡単にもと増やせちゃうけど.....?」

やだ.....。

「てめえ.....汚ねえよ。」

「そう...かな?」

やだよ、そんなの。
< 202 / 331 >

この作品をシェア

pagetop