俺様王子にご注意を

でも、どうしても西本だけ
喋りずらい。

『なあ、大宮。』
『昨日のTV見た?』
『弓道なんで始めた?』

最初、西本は俺に色々話しかけてきた。
けど俺もちゃんと受け答えしなくて
だんだん西本は俺に話しかけて来る事が
少なくなってきていた。

「なあ、お前西本に冷たくねえか?」

玲奈と笹野と俺と誠で
帰っているとき誠がいきなり俺に
そう聞いてきた。

「...そうか?」

俺は笑いながらかえしたけど
笹野が誠に後ろから蹴りをいれていた。

「ぐはっ.....。」

あんなバカップルでも笹野が
あそこまでするってことは
玲奈のことがよっぽど好きなんだろう。

誠は何も知らねえから仕方がない。

玲奈の顔をチラッと見るといつも通り
元気な顔で笑っていた。

それを見て少しほっとした。





けど...俺はちゃんと玲奈のことを
みていなかったのかもしれない。
気づけなかったんだ。
玲奈の心の中に隠してある
ほんとの気持ちを─.....。
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