俺様王子にご注意を
夏休みはあと1ヶ月。
まだあるようで7月が終わったら
あっという間。
「それじゃ、行くぞー。」
部長が大きな声で部員に
呼びかける。
今日は弓道部の合宿。
バスの中で俺は西本と隣に
なってしまった。
玲奈は笹野と一緒。
誠は酔いやすいから1番前の席らしい。
「なあ、大宮。」
そう喋りかけてきたのは隣の西本。
「...何?」
西本はバスのカーテンを閉めながら
話しかけてくる。
「お前ってさ...大倉と仲良いよな?」
「そう...だけど?」
まさか西本の口から玲奈のことがでてくる
なんて考えもしなかったから少し
ビックリした。
何を聞きたいのかも全くわからない。
「...だったらさ、協力してくれねえ?」
「.....は!?」
協力...?って何の?
状況がよく分からない。
すると西本が顔を赤くしながら後頭部を
軽くかいている。
「俺...さ大倉が好き、みたいなんだよな///」
「.....そう。」
頭の中が真っ白になった。
だってコイツ...記憶はなくても玲奈の
元彼だぞ?なんで...また玲奈を好きに
なったんだよ.....。
「あ、もしかして大倉から聞いた?
俺らの昔の関係。」
西本は普通に世間話のように笑いながら
言う。俺はソレをみて少しイラッときた。
「まあ...な?」
「俺も正直よくわからねえんだ。」
わからない.....?