俺様王子にご注意を

「はあー...。」

汗もかいてきて疲れもたまった。
集中力がきれてきたのかもしれない。

「...ん。」

隣から小さな声が聞こえて横を向く。
見るとタオルとお茶を持った玲奈が
立っていた。
玲奈も頬が少し赤く染まっていて
あせも少しかいて暑そうだった。
暑いのは俺だけじゃねえもんな。

「さんきゅ。」

玲奈からタオルとお茶を受け取っても
玲奈は中々俺の隣から離れようとは
しなかった。

「何?集中できないんだけど。」

ついイライラして玲奈に
八つ当たりをしてしまった。

「うん、わかってる。だから和也が
落ち着くまで一緒にいるの。」

「...周りに見られてる。」
俺は的を見ながら言った。

「私たち...付き合っているんだから
よくなーい?それくらいさ。」

それくらいって...どれくらいだよ。

「...玲奈があんま周りにバレないように
してくれって俺に頼んだんだろ?」

「うん。でも今は和也といたい。
わがままで勝手なのはわかってる。」

玲奈が珍しく俺に甘えてきた。
もしかしたら...玲奈もこの合宿が
少しだけ不安なのかもしれない。
そう一瞬だけ思った。

「...俺はしらねえからな///」

「うんっ///」

そう言って玲奈を見ると玲奈は
にっこりと笑っていた。

やっぱり玲奈の笑顔をみた男は
惚れるに違いない。
玲奈をみてそう思った。
< 222 / 331 >

この作品をシェア

pagetop