俺様王子にご注意を
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「眠れねえー.....。」
「誠!うるせえよ。」
「厚くて眠れねえんだよ!」
「知らねえよ。」
今はとにかく暑い。
けど誠が騒ぐせいで余計暑くなる。
「お前らさあ、噂されてたぞー。」
誠はうちわで自分をあおいだ。
「お前らって俺と玲奈のこと?」
「ああ。付き合ってんじゃねえかって
聞かれたよ。だからそうだって答えて
おいたけど.....。」
「...誰に?」
「西本。」
「ふうん.....。」
良かった。これで西本にも
言わなくてすむ。それに...
西本もきっと玲奈のことを
諦めてくれる.....。
俺は勝手にそう思いこんでいた。
「...誠。」
「うー...ん。」
「寝たのか.....?」
「...う。恵美...ちゃん。///」
「...まぢかよ。」
部屋は誠のいびきだけが聞こえる。
「へっへへ///」
誠はにやけながら枕に抱きつく。
見ていられねえ。
俺は部屋から出る事にした。