俺様王子にご注意を

「じゃあねー。」

少しまで一緒に帰って途中で
私たちはわかれた。
でも合宿も終わって少し気持ちが
楽になったような気がした。

龍也のこともなんだかスッキリしたし。
これからは普通に話せそう。
きっと私と龍也は一緒になる運命じゃ
なかったんだ。

─ガチャッ

「ただいま.....。」

玄関には靴が2つ。
和也のと...おばさんのだった。
こんな時間にいるなんて
めずらしいな。

『ふざけんなよ!そしたら
玲奈はどうなるんだよ!?』

これ...和也の声だ。
そっとリビングを覗くとおばさんと
和也がいた。

「私だってもうこの気持ちは
抑えきれないわよ!ずっと女手一つで
あんたを育ててきたのよびっくり?
いいじゃない。」

「だからって何で新しい家を
建てるんだよ?今の状況
分かってるだろ?責任持って預かるって
言ってたじゃねえか。」

“預かる”それはきっと私のことだ。
すぐに分かった。おばさんは私が
邪魔なのかもしれない。

「私は...幸せになっちゃだめなの?」
おばさんは泣きながら和也に言った。

「そう言ってんじゃねえよ。子供1人
預かってるんだから責任持てよ!
時間ならあるだろっ!」

「ないのよ!この歳になったら時間なんて
もうないのよ。終わりに近づいてるの。
もう1人は嫌なのよ.....。
それに...2人で暮らせばいいんじゃない!」

へ.....?2人って私と和也?

「私は...出て行くわよ。」
おばさんは急に立ち上がってバッグを
持ってリビングから出てきた。

ヤバい。見つかった.....。

「っ...玲奈ちゃん。和也を宜しくね。」




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