俺様王子にご注意を
「けど...信じてあげて。
糸はちゃんと誰かと
繋がって結ばれているってことを。」
「離れたら...切れちゃわないの?」
「強く結べば大丈夫っ。切れても
何度も結びなおせばいいの♪」
赤い...糸は和也と
繋がっていたらいいな─。
─────
「ただいま.....。」
家にかえるとおばさんの靴が
見えた。
「あ、玲奈ちゃんおかえり。
スイートポテト一緒に作らない?」
こんな時間にいるなんて
珍しいなー。
...着替えておばさんに借りた
エプロンをつけてみた。
「玲奈ちゃん。似合うわねえ。
そのエプロンわたしまだ一回も
つけてないからあげるわよ。」
「えっ?でも「似合ってる子が
着るのが一番よっ。」
おばさんはにっこり笑って見せた。
「...ありがとうございます。」
するとおばさんの顔色が一気に
変わった。
「...話は聞いたかしら?」
おばさんが言っている事が
すぐに分かった。
再婚と引越しの話だ。
「...はぃ。」
「ごめんなさいね。こんな急に。」
「...いえ。」
何て言えばいいんだろ...。
「...和也は何て言っていたかしら?」
「いえ...特に何も.....。
あの...和也と...その...楠木さんは
幸せになれそうですか?」
私は何を聞いているんだろう.....。