俺様王子にご注意を

するとおばさんは、にっこり
笑った。

「...私は、この人なら、
楠木さんなら私達を私と和也を...
幸せにしてくれるって思ったのよ。
実は、玲奈ちゃんがうちに来る前から
何度も楠木さんから告白を
されていたの。は、和也がいるからって
いろんな理由で何度も断ったわ。
普通の男の人なら子持ちだったら
嫌がるでしょう?
でも楠木さんはみんな引き取るって
言ってくれたのよ。それでこの人と
人生のピリオドを一緒にうちたいって
おもったのよ。」

私は、黙って聞いてることしかできない。

「玲奈ちゃん。和也とここに一緒に
残りたい「みんなで行って来てください。」

「え.....?」

後悔なんてしないよ。

「みんなで九州に行って幸せに
なってください。ははっ、私の人生は
私のものであって他の誰でもないんです。
だから和也もおばさんもそうです。
だから行って下さい。
幸せになってください。」

自分で言いながら瞼がどんどん
熱くなるのがわかる。

「でも玲奈ちゃんは「私は大丈夫です。
実は1人暮らしにも憧れていたんですよ~。」

寂しいなんて言わない...。
強くなるんだから。

「.....ありがとうっ。」

ただ笑うことしかできなかった。
でもちゃんと分かるのは私がおばさんから
和也を、幸せを奪う権利なんてないってこと─。


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