俺様王子にご注意を

「玲奈.....?」

─ハッ!
最低なことを言っちゃった。

「なっ何でもないよ?」

「嘘つくな!」

「っ.....。」

和也のまっすぐな瞳には逆らえない。

「...クリスマスだけは一緒にいたいの。」

私はどうしてこんなにさがままなんだろう。
和也がせっかく決めたのに。

「ん。分かった。」

和也は嬉しそうに私の頭を撫でる。

「ん?何ですと?」

「クリスマスは...一緒にすごそう。」

それって...もしかして...

「その後1人で九州行くよ。」

「...ん。」

現実はやっぱりそう甘くない。

「ごめん。玲奈。」

どの答えでも分かりきっていること。
どれも泣いてしまう。

「っ!?」

急に包まれた体。
暖かい和也のぬくもりとニオイ。

「玲奈...ごめ...ん。」

「和...也?」

和也の鼻をすする音が聞こえた。
私は分かりました。
和也も辛くて涙の1つや2つくらい
流すんだと。でもね、和也。
その涙は隠さなくていい涙なんだよ。
私が涙をすくうから。
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