俺様王子にご注意を
「っっ!?」
目を疑った。玲奈が男に
抱きついていたからだった。
「えぇー?もう持ち帰りですか?」
周りからブーイングがあがった。
つうか持ち帰りなんて聞いてもねえぞ?
「仕方がないなー。玲奈ちゃんったら。
ほら、水飲めー。」
玲奈に口に水を注ぐおとこ...。
いや...でもそれは...水には
どう見ても見えない。
色がかかっていたグラスを一気に
飲み干した玲奈。
すると玲奈は体を跳ねさせた。
「玲...「和はぁ...私の飼っている犬
なんだからぁ...呼ぶなら
もっとましなぁ...呼び方しなさいよおぉ!」
玲奈は顔を赤くして俺の隣にいる
女の足を踏んだ。
そしてそのまま玲奈は男に抱きかかえ
られて居酒屋から出て行った。
「何あれぇ。きもーいっ。」
隣の女が俺の肩に頭を乗せた。
俺はそれをはらいのけて
「お前のほうがきもーい。」
女の声のように高くして小走りで
居酒屋から出て行く。
急いで店から出るとタクシーを
捕まえている男の姿が見えた。
その隣には玲奈がいた。
タクシーに乗り込もうとする男に
俺はとび蹴りをした。
「いってえな。何しやがんだよ!?」
俺は玲奈を抱き寄せた。
「悪いけど、コイツ俺の彼女。もう
触んなよなー。」