初恋は夢の中
混んだと思うと、また暫くすると、まばらにポツポツとお客がやって来る…。

そんな繰り返しだった。


人の少ない内に、一息ついたりヨーヨーを補充したりする。


お祭りが終わるまで、私達はこの作業を繰り返し続けるのだ…



男が、ヨーヨーを膨らませている時、私は思い出したように、今朝の携帯のコトを訪ねた。


男は、あー…。と言葉を濁し、
結構、大変だった…。と言って、ヘへっと笑った。


や、やっぱり…
ゴメンネ。と、謝る私。

男は、いや…、いいんだ…。
と言って、ヨーヨーを作り続けた。


手際よく、ヨーヨーを作り続ける、男の姿を私は見ていた。



そして、男はポツリと話し始めた。

「三和ちゃんが、取った電話さ… 公区の班長でさ… 慌てて班長に、電話出れなくてスイマセン…って謝ったら、『誰?電話に出た娘?お前の女か?』って、しつこく聞かれて…。 いくら、違うって言っても信じて貰えなくて…。」

「じゃ、もしかしてこんな所見られたら、また誤解されちゃうかな…」



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