私を襲って、ツンデレくん。


『うるさい。』

部長さんが不機嫌そうに雫先輩を見た。



へ~部長さんも最初私みたいな初心者だったんだ。



『そういうことだ藤岡。初心者でも入部は歓迎するよ?』



もう私の答えは決まってる。



「私この部に入部します!!」


立ち上がって少しドキドキしながら私は言った。



『な~に言ってんの鈴。もうあんたはうちらの仲間だよ。』


雫先輩…。優しいっす。



『じゃあ、雫の担当楽器を決めなきゃね。』



『おぉ。そうだな。藤岡は何をやりたい?』



「まだ楽器のことなんて全然わからないから…。先輩たちオススメの楽器とかあります?」



『そしたらベースがいいんじゃね?今ちょうどベースいないし。あ~でもお前には無理かもなぁ』




さっきから佐喜先輩私のことバカにしすぎじゃないかな?
こんなやつ先輩だなんて呼んでやんない!!



「できます。やってやります。それと佐喜先輩性格悪いんで直したほうがいいと思います。」


ふんっ!!言ってやったぜ!!



『おいてめぇ。先輩に向かってその口の聞き方は何かな?』



「先輩こそ口の聞き方直したほうがよろしいかと。」




『ふふふ。私も佐喜はもうちょっと優しくなったほうがいいと思うわよ?』



『お前!!桜までそんなこと言うのかよ。』



あ、佐喜先輩がしょげた。
いい気味よ。



『まぁ。その話は置いといて、鈴はベース担当に決まりな。』


さすが部長さん。話の切り替えが早し。



『そうね。今日はもう遅いし、解散といきましょうか。』



桜先輩が優しく微笑んだ。



『おい鈴。』



「なんですか?佐喜先輩?」



私は少しムッとして返事をした。



『彼氏が待ってんぞ。』



そこには…




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