赤い狼 四





「あ゙ぁ?何で今日、持って来れねぇんだよ。テメェ、俺をナメてんのか。


あ゙ぁ゙?そうなんだろうが。おい。ぃぃからバイク今すぐ此所に持って来いっつってんだよ。」




分かりきっている事だと今更ながらに気付いた。




『こ、困りますお客様!それはいくらなんでも無理があります!


今日頼まれたバイクを今日、今すぐそちらに届ける事なんて出来ませんよ!


それに、二つ隣の県なんですよ?バイクを運ぶのに何日かかると思ってるんですか!


なので今日中にそちらにお届けする事は出来ません!』



「何でだよ!そこを何とかして持ってこれねぇのか?飛ばしてくるとかよ。


つぅーか、俺が誰だか知ってての物言いだろうな?」



『あなたがハゲた親父だろうと、鼻水垂らした子供だろうと私には関係ありません!


どなただろうと無理なものは"無理"です!』



「俺はハゲてねぇし、鼻水も垂らしてねぇ!」





馬鹿な会話を恥ずかしさの欠片も出さずにし続ける真っ赤な頭に切れ長な目を鋭く光らしている隼人。



原因は絶対にこれだ。

この、赤髪オオカミ少年の馬鹿総長が原因だと思われる。



つぅーか、そうとしか考えらんねぇ。





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