赤い狼 四





薄く笑いかけてくる慶吾に「………。」無言で睨みつける。




慶吾はそれを見て「フッ、」鼻で盛大に笑いやがった。うん。アナタイマ、バカニシタデショ。怒り爆発させるぞこの野郎。




フツフツと沸き起こってくる怒りを感じるけど、少し嬉しくもなった。



だって最初はすごく態度が他人行儀な感じだったし、私に向ける笑顔もどこか作ってるって感じだったから。




最初この家に来たとき私が話しかけても無視だった。


お世辞でも態度のいい青年なんて言えない二人。



そんな二人が私の言動に反応を起こしてくれるなんて嬉しくなった。


それに私のこと呼び捨てだし。年下にタメ口で話されるのも悪くない、なんて思った。






それに――――、今の二人は瞳が死んでないから好きだ。






初めて二人に逢ったとき、昔の自分を見ているようで悲しくなった。と同時に話を聞きたくなった。




どうしてそんな誰も信じていないような目をするのか。



光を失った目が全てがどうでもいい。そう言っているようで。



―――――諦めたような目。






それを見て無性に虚しくなった。





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