夏の、唄
プロローグ 夏の、出会い。

静寂が町を包む暗闇の中心の、廃ビルの屋上から聞こえてくるヴァイオリンの音色。

微かな、けれども確かに聞こえているような、自然で、刹那的な音色。


それは、きっと、真夏の夜空に浮かぶ星達のようだった。


刹那に、巡る、奇跡のような、真夏の夜空。


刹那的な、奇跡。 それは、彼女のようだった。
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