死せる朝日の会
ユリスの言う通りだ。もしこのまま俺が消えたらリンダはどうなる? もしかして本当に俺の後を追ってしまうかも知れない。 それだけは絶対に避けたい事態だし、そうなったら俺も耐えられない。 もちろんリンダは知っている、このゲームのルールを全て。だから、少なからず予想はしているはずだ。 しかし…
俺は思わず空を見上げた、
「俺、もしかしてリンダを傷つけただけのかな?」
俺のつぶやきにユリスは答えない、ただ黙って歩き続けていた。
俺もその後、一言も発する事無く教会へと帰還した。
結局、俺は何もしていない、ただの無力な一人の人間だ。でも、だからと言って逃げる口実は持ち合わせ無いし、そもそも逃げたく無いよ。俺の感覚では非常に短い付き合いだけど、みんな大切な仲間だし、そこには確かに絆みたいな物を感じる。だから、逃げたりはしない、リンダの事もユリスの事も、全て正面からぶつかってやる。
俺は、今回が最後になるかもしれないゲームに期待しながらも、何かやるせない気持ちのまま、教会のドアを開けた、
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