死せる朝日の会
3章 死せる夜
そこはとても広くて、でも誰もいない。 例えるなら病院、あるいは学校。画一的で面白みの無い建築物の一室に私はいた。
そこでは私を制限するものは無く、私を呼ぶ者もいない。 何も無い世界。
そんな何も無い世界で、私は一体何をしているのか? わからない、考えてない、知ってしまう事もできない。
私はひたすら膝を抱えて座っていたが、ある時部屋の隅にある本棚が目についた。 おもむろに近づき一冊を手に取る。
【それは昔の物語】そんなタイトルの本だった。
“それは昔、あるいは今、あるいは未来。 あるところに一人の若者がいました。若者は正義感にあふれ、世界が平和になる事を願い、その為の行動を開始したのです。
若者の行動はやがて仲間を増やし、いつしか八人になっていた。
若者は考えた、世界とは何か? そして悟った、世界は自分であり、自分は世界の一つなのだと。 だからこそ若者は信じた、毎日が楽しいならば、きっと明日もまた日は昇るだろうと。
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