死せる朝日の会
できるだけ普通を装って返事をする。変に意識しているのを、気づかれたくないからだ。
「素直じゃないわね。昨日眠れなかったくせに。」
妙はからかうように俺を見た。思わず目をそらして、
「何を? てかさ、何で知ってんだよ? 部屋に何か仕掛けたのか?」
完全に焦った俺は、声が裏返っていしまっていた。 そんな俺を見て、妙の表情はみるみる笑い顔になっていった。
「え? 本当に? 冗談のつもりだったのに。寝てないの?」と、楽しそうに突っ込んで来た。 俺は後悔したが、もう遅い。しばらくは言われそうだな。
「そんなに面白いか? ああそうだよ。眠れなかったんだよ。 そっちはどうなんだよ? 」
開き直った俺は、おそらく顔が真っ赤になっていたに違いない。
「私はばっちり寝たよ。昨日は沢山遊んで疲れたしね。」
そう言いながら、俺にカバンを投げつけて逃げ出した妙は、「ごめん、嫌だったかな?」
少し離れた所で振り返り、俺を見ないで俺に聞いた。 よく見ると目が赤い、どうやらナイーブなのは俺だけじゃないらしい。 俺は妙に近づいて、
「嫌じゃない、びっくりしただけだ。」
そう言って、妙の頭をなでると、
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