死せる朝日の会

幸せな彼女?

人間とは不思議な生き物だ。普段は自然に腹が減る、夜になれば眠くなるし、朝はできれば起きたくない。 それが普通だし、否定する必要もない。 なのに、今日の俺は全く眠くならない。いや、眠くならなかったと言うべきだろう。 外を見ると、すっかり明るくなってしまっていた。実のところ一睡もしていない、にもかかわらず、全く眠くない。 どうやら昨晩の事件がもたらした衝撃は、予想以上に俺の心を捉えたらしい。キスははじめてだったが、それでもこれほどの衝撃を受けるとは考えてもなかった。
「俺がこれほどナイーブだったとはな、これも新しい自分発見と言うやつかな。」
力なく独り言を言うと、俺は学校に行くべく立ち上がった。 結局、昨日と同じ位の時間に登校する事になってしまった。 確か昨日はこの辺で妙に会ったんだよな。等と考えていると、
「おはよう、今日も早いじゃない。私を待ってたの?」
と声がした。 振り返る必要もないくらいの勢いで、俺の前に回り込んで来た。 俺の不眠の原因である妙は、昨日と同じで、非常に高いテンションで現れた。
「別に待ってねえよ。普通に歩いていたじゃないか。」
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