死せる朝日の会

黒い神様の?

俺は黙って頷いた。とりあえず聞くと決めたのだ、突っ込みは後回しだ。
「ここで一つ質問します。もし、人類が絶滅したら、神様はどうしたらいいと思いますか? 人類の為の神様なのに、その人類がいなくなる。これはかなりの異常事態ですよね? どう思います?」
普段なら、馬鹿らしいと思える会話も、あまりに相手が真剣だったなら? やっぱり真剣に考えてしまうのだろうか?「確かに人類がいなかったら神はいらないよな。けど、神様っていう存在は、会社で言ったら社長だろ。もしそれで、社員が全員辞めたりしたら、それなりの責任を取らされるんじゃないのかな?」
まあ、会社が成立しない時点で、責任も何もあったもんじゃないけどな。
「そうです。事態を収集するのが神の役割ではなく、そうならないようにするのが本来の仕事です。だからこそ、そんな失態をやらかした神様は、必死になってもらわなくては。滅んでしまった世界を元に戻す為には、2つの方法があるそうなんです。一つは、世界が滅んだ後、再び世界を創世するやり方。これは実に神様らしいですよね。 そしてもう一つは、滅んだ日から遡って、その事実を変えてしまう事。
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