死せる朝日の会
それどころか、目の前の彼女こそ本当のユリスだと強く確信したのだ。それは、何の情報も根拠も無い俺にとっては愚かな事かもしれない。状況が状況なだけに、それがもとで命に関わるかもしれないからだ。けど、俺の中の何かが絶対に大丈夫だと言ってる気がした。それはいいとして。
「ユリス。あの娘はお前の親族か? さっき、確か同じベルガンデスって名乗ったよな? なんか仲が悪そうだったけど。」
俺はユリスに手紙を渡し、なんとなく聞いてみた。 渡された手紙を読んだユリスは、少し目を細めていたが。
「アイリスは私の姉にあたる人なんだけど、ずいぶん前に家を出ていて、今は絶縁状態なの。でもそれはたいした問題じゃないの。今考えなくてはならないのは、アイリス達が既に動き始めているという事実。 こちらからは手を出せない以上、警戒するしかないのだけど。それでも何かしらの対策は必要みたいね。」
と答えた。
「何者なんだ? 俺達の仲間では無いって事だよな? でも事情は知ってるみたいだし。 まさかあれか? 同じように何かをやり直そうとしている連中がいるとか?」
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