死せる朝日の会
愛称ねぇ。マフィアか何かと間違ってないか? まあ、テロリストなら本名を出してない可能性はあるよな。だから愛称が付いたのかも知れない。
「どんな意味なんだ? 何かエピソードみたいなものがあったりするのか?」
ユリスは両手を軽く広げて、首を横に振りながら、
「さあ。気がついた時にはもう、みんなからそう呼ばれていたんだなこれが。 まあ深い意味は無いのかもしれないけどね。」
三国志の武将みたいでいいかもな。
「三国志の武将みたい。とか思ったよね? 」
にやけ顔で俺を見たユリスは、得意気に何かを取り出した。それは小さな手紙。折り畳まれた便箋をそのまま俺に手渡した。俺はそれを広げて見る。 しかし…
「何だこれ? ただの紙切れなのか? 」
思わず口に出してしまう。それは本当にただの紙だった。 一見すると手紙のようだが、広げてみても何も書かれていない、普通の白い紙だった。
「ちょっとやめてよね。負けたからって逃げられないから。 まあ、今のとこ私の全勝だし、見逃してあげてもいいけどね。」
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