貴方の愛に捕らわれて

けど、昨日に比べてかなり調子も良くなったし、これ以上、猛さんに迷惑をかける訳にもいかない。


だから、看病してもらえて本当に嬉しかったことと、そのお礼を言って、家に帰ることを伝えた。



すると猛さんは、少し恐い顔で私の肩を掴み、有無をいわさずベッドに押し戻した。




「先ずは熱を計ってみろ」



そう言って強引に体温計を脇にはさまれる。



猛さんの冷たい指先が素肌に触れ、ピクリと体が跳ねる。



不意に脇腹に触れられ、ドクンと跳ねる心臓。



だけど不思議…



猛さんに触れられるの、ちっとも嫌じゃない。



こんなこと他の人にされたら、絶対に怖くて震え上がっちゃうのに。



寧ろ胸がキュウッて切なくなる。



至近距離で私の様子を窺う猛さんに、ドキドキ暴れる心臓の音が聞こえそうで恥ずかしい…。



 

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