貴方の愛に捕らわれて
猛さんと目が合わないように視線を泳がせていたら、体温計からピピピっていう電子音が。
すかさず体温計を取り上げられる。
体温計を見た猛さんは、益々怖い顔になっちゃって…
「まだ熱があるじゃないか。俺が良いと言うまで大人しく寝ていろ。いいな」
眉間にシワを寄せ、鋭い切れ長の瞳で至近距離から睨まれながら、額に冷却シートを貼ってもらう。
猛さんに叱られたことが嬉しくて、ニンマリする口元を隠すように、布団に潜り込んだ。
叱られちゃった…。
猛さんの怒った顔は怖いけど、私のことを心配して叱ってくれるのが、すっごく嬉しかった。
今まで誰かに心配してもらった事なんてなかったのに、ここに来てから……
ううん、猛さんに出会ってから何回“心配”をしてもらっただろう。