貴方の愛に捕らわれて

猛さんと目が合わないように視線を泳がせていたら、体温計からピピピっていう電子音が。



すかさず体温計を取り上げられる。



体温計を見た猛さんは、益々怖い顔になっちゃって…




「まだ熱があるじゃないか。俺が良いと言うまで大人しく寝ていろ。いいな」



眉間にシワを寄せ、鋭い切れ長の瞳で至近距離から睨まれながら、額に冷却シートを貼ってもらう。



猛さんに叱られたことが嬉しくて、ニンマリする口元を隠すように、布団に潜り込んだ。




叱られちゃった…。



猛さんの怒った顔は怖いけど、私のことを心配して叱ってくれるのが、すっごく嬉しかった。



今まで誰かに心配してもらった事なんてなかったのに、ここに来てから……



ううん、猛さんに出会ってから何回“心配”をしてもらっただろう。



 

< 138 / 507 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop