貴方の愛に捕らわれて
無事、校門を通り抜け、安堵のため息をついた。
すると不意に誰かかが私を呼び止めた。
「香織」
聞き覚えのある低い声に、心臓がドクリと跳ねる。
ドクンドクンと激しく打つ心臓。
声のした方を恐る恐る振り返ると、そこには会いたくて仕方なかった人がいた。
『猛さん…!?』
夢かと思った。
驚きのあまり、かすれる声で名前をつぶやき、私はその場に立ち尽くした。
「今、帰りか?」
『…はい……』
猛さんは、黒い高級車の周りにいる不良達の間を、ゆったりとした足取りで歩いて私の目の前に立った。