貴方の愛に捕らわれて
何時も通り数軒の店の見回りを終え、帰宅したのは深夜二時を過ぎていた。
とっくに休んでいるだろう香織を、起こさないよう二階に上がれば、リビングのドアの隙間から明かりが漏れている。
まだ起きているのか?不審に思いながらドアを開け香織の名を呼ぶ。
だが返事を返す者はなく、ソファーの横に置かれたショップの袋が目に留まる。
その光景に急に胸騒ぎを覚え、そのまま寝室へと向かう。
何かにせき立てられるように寝室のドアを開け、間接照明をつけて室内を見渡せば、ベッドに小さな山を見つけて安堵の溜め息が零れた。
そっと掛布を捲れば、服を着たままうずくまる様に身を小さく丸めて眠る香織。
リビングの光景といい、今までにない香織の行動に嫌な予感が過ぎる。
すやすやと穏やかな寝息をたてる小さな体をそっと抱き寄せてみるが、目を覚ます気配が全くない。