貴方の愛に捕らわれて
 

由香里と校門で別れ迎えの車に乗った私は、朝とは違って何日ぶりかの元気を取り戻していた。



そんな私の明るい様子に、松野さんが何か良いことでもありましたかと聞いてくる。



由香里といい松野さんといい。一人で勝手に思い悩んで、周りに心配をかけていたことに、今更ながら気づかされる。



猛さん以外にも、私のことを気遣ってくれる人がいる。



そのことがありがたくて、『ありがとうごさいます。心配かけてごめんなさい』と言えば、ルームミラー越しに松野さんが優しく微笑んでくれた。




いつも通り玄関で鞄を受け取り、お休みなさいと少し早めの挨拶をすれば、珍しく松野さんに呼び止められた。



「姐さん、夕飯はあっさりしたものを頼んでおきましたから、ちゃんと食べて薬を飲んで下さいね。


あと、具合が悪くなったら病院までお連れするんで、市販の薬を飲んだりしないで下さい。念のため常備薬はこちらで処分しておきましたんで」



 

< 463 / 507 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop