貴方の愛に捕らわれて
ハァハァと荒い息を繰り返しガタガタと震える小さな体は、驚くほど軽い。
「香織、しっかりしろ。今、医者を呼んだからな。
すぐに楽にしてやる。香織…」
何度呼びかけても、腕の中の愛しい小鳥は、その小さな体全体でハァハァと荒い息を繰り返して目を開かない。
ホテルの後始末を龍二に任せると、俺はマンションへ急いだ。
マンションに着くと、すぐに寝室のベッドに小さな体を横たえた。
額に貼りついた髪をどけて、汗を拭ってやる。
これぐらいしか出来ない自分がもどかしい。
「今度はどうした?刺されたか?それとも玉でもくらったか?」
今か今かと待っていると、緊張感の欠片もない声で物騒な事を言いながら榊が現れた。
榊は50代半ばの腕のいい外科医で、親父の代から組の主治医を務める医師だ。
マンションに呼び出したから、俺がやられたと勘違いしたようだ。
「馬鹿やろう!俺じゃねぇ。香織がすげぇ苦しんでんだ。早く何とかしろ!」
早口でまくし立てると、榊を香織のもとへ連れて行った。