記憶の桜 -花空残夢-
俺は自分の気持ちに嘘なんざ、ついてねぇよ…。
「涼を幸せにしてやれだと?余計なお世話だよ…、馬鹿総司…」
自嘲気味に笑うと、目頭から涙が零れた。
俺は柱に寄りかかるようにして座ると、涼にばれないように声を殺して泣いた。
近藤さんだけでなく、総司まで逝っちまった…。
二度ト会エナイ…。
俺の頭にその言葉がこだまする。
何故…、俺は生きてんだよ…。
俺は…、死に遅れたのか――?