記憶の桜 -花空残夢-
「ん…、土方さん…」
どうやら、私は夢を見ていたらしい。
「大丈夫か?だいぶ、うなされてたぞ」
私は彼の膝の上を転がり、腰の辺りに抱き着いた。
「どうした、怖い夢でも見たか?」
土方さんは私の頭を優しく撫でてくれる。
その感触がとても心地いい。
「あの日の夢を見て、土方さんが私の前から居なくなってしまったんです…」
「そうか…」
彼は私の脇に手を入れ、胡座をかいている足の間に座らせた。