記憶の桜 -花空残夢-


しばらくすると、彼の咳は落ち着いた。




「今、水を持って――、ひゃっ!?」




水を取りに行こうと立ち上がると、いきなり沖田さんに手を引かれた。




私の身体は彼の腕の中にすっぽりと収まっている。




「お、沖田さん…?」




「少しだけ…、少しだけこのままで居させて」




耳元で囁かれ、自然と身体が身じろぐ。




しかし、沖田さんはそんな私を更に強く抱き締めた。





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